事務所ブログ

2014.07.22更新

専門家に相談に行きたいと思った場合でも,
弁護士に相談に行けばいいのか,
あるいは,他の士業の人に相談したらよいのか,
色々な専門家がいてよく分からない,
なんてことがあるかもしれません。

簡単に各士業が主として担当する職務を挙げると,
弁護士は法廷立会,すなわち裁判や調停など,
司法書士は登記や戸籍関係の事務
行政書士は公官庁に対する申請等の事務,
弁理士は特許等の知的財産に関する事務,
税理士は税務関係の事務,
公認会計士は企業会計関係の事務,
社会保険労務士は労務管理に関する事務と,となります。

ですから,たとえばパテント絡みの相談であれば,
弁理士さんに相談しにいくのが適切ですし,
税金関係の相談であれば税理士さんに相談するのが適切です。
ただし,各士業間には,法廷立会は原則として弁護士のみ,
というような特定の士業にのみ認められた職域がある一方,
弁護士が担当する法律事務の一部の相続関係業務について,
司法書士も相続登記の前提として事務処理を行うなど,
相互に職域が重複していることもありますので,
後者の場合はどちらに御相談いただくこともできます。

そして,複数の専門家の中で誰を選ぶかに関しては,
第一に,その専門家のホームページ等をチェックして,
その専門家がどんな分野の業務を得意とするか確認してください。
たとえば,同じ弁護士でも,企業法務に強い人,
医療訴訟に強い人,家事関係に強い人など様々です。
自分の悩みに関する分野に強い専門家を選ぶのがよいでしょう。

第二に,必ず一度は直接面会して,人柄を確かめてください。
少額とはいえない報酬を支払って事件を委任する以上,
委任に先立って,その専門家がどんな人となりなのか,
安心して事件の処理を依頼できる人なのか,
自分の意見をきちんと聞いて事件処理に反映してくれるのか,
確認しておかないと,後悔することになりかねません。
最近は無料相談を行っている専門家も多いですし,
有料だとしても相談料自体はそれほど高額ではない場合が多いので,
必ず直接会って相談することをおすすめします。

なお,仮に畑違いの専門家に相談に行ってしまったとしても,
無料相談ならコストがかかるわけではありませんし,
その専門家を通じて,別のより適した専門家を紹介してもらい,
結果としてスムーズに話を進められる場合もあるので,
その意味ではまず,無料の相談を試されてもよいでしょう。

なお,当事務所の法律相談は初回60分まで無料,
土日・夜間を含む24時間相談に対応しております。
どんな専門家に相談すればよいかも含め,
親身になってお話を聞き,アドバイスさせていただきます。
必要に応じて,相談者様の御希望の地域の他士業の方々,
たとえば北千住の司法書士さん等のご紹介もいたしますので,
まずは電話かメールでご連絡ください。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.20更新

平成26年7月17日の最高裁の判断が
子や母・血縁上の父に及ぼす影響について
一昨日,昨日と分析してきましたが,
今日は法的な父に及ぼす影響について分析しましょう。

設例を少し変え,以下のような事案を前提にします。
夫Aと結婚して北千住駅近くのマンションに住んでいたBは,
同窓会で母校のある広島に宿泊した際,
再開した同級生のCと肉体関係を結ぶに至り,
その後,Bは妊娠してDを出産した。

このような場合,これまでの家庭裁判所実務では,
DNA鑑定によって父子関係の不存在が科学的に証明されれば,
父子関係を否定して子の戸籍を父の戸籍から外すという扱いを
一般的に行っていたように思います。
現に私自身,DNA鑑定の結果父子関係が否定されたため,
戸籍の更正が認められたという案件を手がけております。

ところが,本件判断の下では,嫡出否認の訴え以外の方法では,
いかにDNA鑑定で父子関係が存在しないという結果が出ても,
父子関係を否定することは許されないことになります。
すなわち,AがDの出生を知ってから1年を経過した後は,
AがDとの間の父子関係を解消する手段は原則としてなく,
Aは血のつながらないDへの扶養の義務を負わされ続ける,
ということになります。
本件判断の事案では,法的な父が血のつながらない子を養育する
強い意思をお持ちのようなので問題になっていませんが,
血のつながらない子を養育する熱意のある父はむしろ希であり,
そんな父の扶養を受けることが子にとって本当に幸福なのか,
非常に疑問です。

そして,Aが血のつながらないDの扶養を免れるためには,
できるだけ早期にBに対しDとの父子鑑定を要求し,
Bがそれに応じなければ嫡出否認の訴えを提起する,
という手段を採らざるを得ません。
ただ,父子鑑定の要求や嫡出否認の訴えの提起は,
Bに対しては「お前は他の男と子を作っただろう」,
Dに対しては「お前は俺の子ではない」という宣告に他ならず,
こんな侮辱的な宣告を受けたBやDにしてみれば,
たとえ父子鑑定の結果Aの子であることが判明したところで,
元の夫婦関係・親子関係に戻ることはないでしょう。
そんな要求をした時点で,早晩AとBは離婚することになります。

結局,Aとしては,離婚の高いリスクを覚悟で父子鑑定を要求するか,
全てを諦めて血のつながらない子でも扶養する覚悟を据えるか,
どちらかを選ぶしかありません。

以上見てきたとおり,本件判断は,
法的な父には血のつながらない子の扶養を強要し,
子には血のつながらない父を法的な父として押し付ける反面,
血縁上の父の扶養を受ける余地を狭めるという,
ほとんど誰も得をしない帰結を導くように思います。

とはいえ,今後の実務は本件判断に従って動いていきます。
本件判断によってなるべく不利益を受けることのないよう,
少しでも不安があるならば,当事務所の無料法律相談をご利用下さい。
土日・夜間や事務所外の相談にも対応していますので,
例えば産まれたばかりの子供がいるので外出できないという方でも,
託児スペースのある場所等で相談に応じさせていただきます。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.19更新

昨日は,平成26年7月17日の最高裁の判断について,
子の視点からの影響を分析をしました。
その中で,夫の嫡出推定(民法772条)が及ぶ状況では
子どもを産まないようにすべき,ということを書きましたが,
これは親の側がすべきことですね。お詫びして訂正します。
後ほどお話しするとおり,血縁上の父の協力が得られれば,
血縁上の父と子を養子縁組することもできますが,
これは母や血縁上の父が主導して行う手段であり,
子の側で積極的にできるという手段ではありません。
となれば,子の側から血縁上の父を法的にも父とする手段は,
全くないということになります。

では,母や血縁上の父に何かできることはないのでしょうか。
昨日の設例と同様,夫Aと結婚して広島市内に住んでいたBは,
Aの家庭内暴力に苦しみ,元同級生のC(男性)に相談を持ちかけました。
Cは親身になって相談に乗り,適切なアドバイスをしてくれたため,
BはAと別居することができ,実家近くの北千住で生活を始めました。
その後,BはCと親密な関係になり,Cとの間に子Dが誕生しました。
という事案を用いて,説明していきましょう。

BがAと離婚し,かつ,離婚の300日後以降にDを産んだ場合,
Aの嫡出推定は及ばず,AがDの法的な父となることはありません。
この場合,Dは,BとCが結婚すればBC間の嫡出子になりますし,
仮に結婚しなくても,認知があればCが法的な父になります。

これに対し,Aの嫡出推定が及ぶ状態でDを産んだ場合,
Aが1年以内に嫡出否認の訴え(民法775条)を提起して,
これが認められない限り,Dの法的な父はAであり,
BやCの側からその関係を消すことは認められません。
仮にDNA鑑定でAD間の親子関係の不存在が明らかでも,
父子関係は否定されないというのが本件判断だからです。

そして,D出生後にBがAと離婚しても状況は変わりません。
それどころか,離婚してBがDの親権を得たとしても,
Bが戸籍の筆頭者となっている場合でなければ,
DはAの戸籍に残ってしまい,Bの戸籍には移りません。
さらに,その後BがCと結婚したとしても,
Cの戸籍に入るのはBだけで,DはAの戸籍に入ったままです。

こうした戸籍の状況を避ける手段はいくつかありますが,
その1つが,CとDとの養子縁組という手段です。
CとDが養子縁組すれば,養子Dは養親Cの戸籍に入り,
Aの戸籍から除籍されます。
ただし,Aとの間の父子関係が消えることはありません。

なお,最高裁は,子の地位の安定という観点を強調しますが,
法的な父子関係は父の子に対する扶養義務を基礎づけると同時に,
子の父に対する扶養義務をも基礎づけるという意味を持ちます。
すなわち,上記設例で,DがもっぱらBとCに扶養され,
一切Aからの扶養を受けずに成長していったとしても,
年老いたAに扶養の必要が生じれば,Dが扶養しなければなりません。
生活保護への世間の目が厳しくなる一方の昨今では,
DがAの扶養を免れることは困難でしょう。

結局,本件判断の下でB・Cが採り得る最善の選択肢は,
Bが早期にAと離婚し,Aの嫡出推定が及ぶ状況で子どもを産まない,
ということに尽きることになります。

次回は,法的な父,上記設例でいうAの立場から,
本件判断の影響を検討してみたいと思います。
本件判断に関するものに限らず,離婚や親子関係でお悩みの方は,
遠慮なく当事務所の無料法律相談をご利用下さい。
土日・夜間も相談に対応しておりますし,
実家で親御さんも含めて話を聞きたいということであれば,
ご自宅に出向いてお話しさせていただきます。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.18更新

平成26年7月17日,最高裁判所は,
DNA鑑定等で生物学的な父子関係の不存在が証明された場合でも,
親子関係不存在確認の訴えによって父子関係を否定することはできない,
という判断を示しました(以下,本件判断といいます)。
結論・理由づけともに問題がある部分が多々ある本件判断ですが,
今後の実務は本件判断に従って動いていくことになります。
そこで,本件判断によって家事事件の関係者がどのような影響を受けるか,
検討してみましょう。

まず,父子関係の下で父親の監護・養育を受ける子から見た影響です。
最高裁は,子の法的地位の安定を,本件判断の主たる理由としており,
本件判断の下では,仮にDNA鑑定等で生物学的な父子関係が否定されても,
そのことを理由に法的な父子関係の不存在を主張され,
監護・養育の利益や相続権などを失うおそれはなくなります。
ただ,法的な父子関係を否定できないということは
その反面,血縁上の父を法的な父とする余地もないことを意味します。

例えば,こういう事案を想定してみましょう。
夫Aと結婚して広島市内に住んでいたBは,
Aの家庭内暴力に苦しみ,元同級生のC(男性)に相談を持ちかけました。
Cは親身になって相談に乗り,適切なアドバイスをしてくれたため,
BはAと別居することができ,実家近くの北千住で生活を始めました。
その後,BはCと親密な関係になり,Cとの間に子Dが誕生しました。

この場合,BとAとの間の離婚が成立していなければ,
Dの法的な父はAになります(民法772条1項)。
それどころか,Aとの離婚後300日以内でも,
同じ結論が導かれてしまいます(民法772条2項)。
Aが嫡出否認の訴え(民法774条)を提起しない限り,
Dの法的な父は永久にAのままということになります。
後にBがAと離婚し,Cと再婚して,Dと家庭生活を営んでいても,
CがDの法的な父となることはありません。
Dが,Aとの親子関係の不存在確認の訴えを提起し,
DNA鑑定でAとの間の父子関係の不存在を証明したとしても,
法的な父子関係は否定されないというのが本件判断の帰結です。
したがって,Dは,血縁上の父であるCに扶養を求めることができず,
Cの法定相続人となることもできません。

最高裁としては,Aとの間で父子関係が認められるのだからよい,
と考えているのかもしれませんが,
血縁上の父子関係が存しないAにDの扶養を委ねてよいのか,
委ねたところで実効性がどれほどあるのか,
非常に疑問が残るところです。

本件判断の妥当性の有無はともかく,これを前提とするならば,
Dの扶養等は法的な父であるAに委ねざるを得なくなります。
こうした事態を避けたいのであれば,Bとしては,
Aとの離婚成立後300日以内には絶対に子どもを産まない,
という選択をしなければなりません。

今回,本件判断について,子から見た影響を検討してみました。
次回以降,他の関係者から見た影響についても検討していく予定です。
なお,本件に関係する悩みをお持ちの方は,
一人で抱え込まずに,当事務所の無料法律相談をご利用下さい。
土日や夜間も相談に対応しておりますし,
夫が居場所を探し回っている等の事情で外出が難しいようならば,
ご指定いただいた場所に出向かせていただきます。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.17更新

本来請求できるはずの残業代が支払われていないことがある,
ということが広く知られるようになり,
未払残業代の請求に踏み出す人も増えているようです。
正規に割り増した残業代の受給は労働者の当然の権利であり,
会社は法令に従った残業代の支払義務を負っていますから,
その意味では未払残業代の請求をためらう必要はありません。

ただ,せっかく未払残業代の請求をするのであれば,
主張する残業時間のできれば全部,
それが不可能でもなるべく多くの部分を認めてもらい,
最大限の利益の回復を図りたいところです。
そのためには,残業についてどのような証拠があるか,
それを用いてどのように裁判所を説得していくか,
裁判所に訴えかける手段として何を選ぶのか,
十分検討しておく必要があります。

また,未払残業代請求に踏み切った場合,
会社との間でしこりが残ることは避けられません。
それでも会社と上手くやっていけるのかどうか,
そんな会社は見切って退職する予定なのだとすれば,
再就職先のあてはあるのかどうか,
そうした戦略を事前に十分練っておく必要があります。

これら事前準備を,職場で仕事を続けながら,
あるいは就職活動をしながら独力でやっていくことは,
必ずしも容易ではないでしょう。
そうしたときには,まずは無料の法律相談で,
今後の方針について話をしてみましょう。
必ずしも弁護士に委任する必要はありません。
自分の現在の状況を整理して冷静に分析し,
今後の対処を考えるだけでも十分に意味があるのです。

未払残業代の請求は,今まで働いてきた職場との対立だけに,
いったんは未払残業代の請求をしようと思ったけれども,
事情が変わって請求するつもりがなくなった,
といったことも起こります。
心が揺れるのがむしろ当然なのです。
そうした場合にも,私は,常に依頼者様に寄り添い,
適切なアドバイスをしていくよう心がけております。
お仕事が忙しく,平日の昼間の相談は無理だよ,
という場合,土日・夜間の相談にも応じております。
お仕事や家庭の都合で事務所には行きにくい,
という場合でも,ご指定の場所に出向いて相談に応じます。
その際,南千住からの交通費だけはいただいておりますが,
北千住や上野あたりの近距離であれば無料としております。
まずは電話かメールでご連絡下さい。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.16更新

先日,物損事故を中心とする交通事故で,
弁護士費用の負担を軽減する方法について,
自動車保険の弁護士特約等を紹介しました。

ところで,弁護士費用以前の問題として,
そもそも交通事故くらいのことについて,
いちいち弁護士に相談に行く必要があるのか,
疑問に思われる方もいるでしょう。

確かに,保険会社の担当者さんが信頼できる人で,
その人が頑張って希望どおり解決してくれた,
という場合なら,相談の必要はないでしょう。

ただ,交通事故に関する相手方との交渉は,
往々にして揉めてしまうものです。
その原因が,無効の主張が法外だからなのか,
逆にこちらの主張が無理筋だからなのか,
しっかり見極めておかないと,
弱気な担当者さんに流されて不利な解決になったり,
逆に無駄に強気な担当者さんに引きずられた結果,
無駄に裁判沙汰になって時間と費用だけ浪費する,
なんてことにもなりかねません。

そんなことにならないよう,少しでも不安があるなら,
一度無料の法律相談をしてみることをお勧めします。
お仕事の都合で平日の日中の相談が難しいという方も,
当事務所は土日・夜間の相談にも応じていますので,
ご遠慮なくお申し出下さい。
また,相談者のご指定の場所への出張も適宜応じます。
南千住・北千住近辺であれば,交通費も無料です。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.15更新

交通事故,特に損害額の小さい物損事故の場合,
相手方や保険会社の言い分に納得がいかなくても,
弁護士を頼むのをためらい,結局押し切られてしまう,
そんな経験をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

確かに,一般的な法律事務所の報酬基準に従えば,
着手金・報酬合わせて最低でも50万円以上となるので,
少額の物損事故では,弁護士費用で足が出てしまいます。

ただ,そのような場合でも,
加入している自動車保険に弁護士特約がついていれば,
保険会社から弁護士費用を支払ってもらうことができ,
個人として弁護士費用を負担する必要はなくなります。

また,先日お話しした法テラスの民事法律扶助では,
着手金・報酬と合わせておおむね30万円程度の費用で,
しかも月々1万円程度からの分割払いができますので,
比較的負担が軽くなります。

この他,日弁連交通事故相談センターへの斡旋申し込みなどの
比較的費用がかからない手続を選ぶなど,
事案に応じて適切なアドバイスをします。

すぐに弁護士を頼みたいという場合でなくても,
土日を含む24時間いつでも相談に対応しておりますので,
電話かメールでご連絡下さい。
相談料初回60分無料は一般の法律相談と同様です。
入院中等で事務所に相談に行けないという場合は,
事務所外での相談にも応じます。
北千住・南千住近辺の場所であれば,
交通費もいただきませんので,お気軽にお申し付け下さい。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.13更新

後見とか保佐・補助という言葉を聞いても,
一体何のための制度なのかよく分からない,
そんな方が多いのではないかと思います。

判断能力が衰えていない時点では無用な制度ですから,
意味が分からないのも無理はありません。
ただ,親が認知症で判断能力が衰えてしまった,
といった場合には,後見等の制度の出番が回ってきます。

例えば,ある程度資産をお持ちの方であれば,
相続税対策を考えておられるかと思います。
当事務所近辺の足立区・荒川区内,
特に北千住や南千住に不動産をお持ちの場合は,
遺産の価値が基礎控除を超える可能性が高いことから,
相続税対策の必要性は高いといえます。
なお,平成27年1月以降は相続税の基礎控除額が減り,
3000万円+相続人の人数×600万円になってしまうので,
相続税対策の必要はさらに高まります。

相続税対策では,遺産を残す人の側で,
将来遺産となるべき財産を減らすなどの処分をしますが,
その際,ほぼ必ず本人の意思確認が行われます。
ですから,遺言を残す人が認知症で会話が成り立たない,
というようなことでは,相続税対策はできません。

相続税対策以外でも,今まで住んでいた家を売却し,
売却資金で施設入所資金を賄うというような場合でも,
同様の問題が生じます。

このような場合に,遺産を残す人の代わりに行為する者として
家庭裁判所から選任されるのが後見人等ということになります。

後見人等は,遺産を残す人の現在の判断能力の検査や
その他各種手続が必要になることとの関係で,
すぐに選任してもらえるわけではありません。
また,昨今の後見人等の不祥事(財産の使い込みなど)のため,
申立ての方法次第では,親族が後見人となれず,
弁護士などの専門職が後見人に選任されてしまったり,
後見人は親族でも専門職が後見監督人となったりします。
そうなってしまえば,相続税対策も不可能ないし困難になりますし,
後見人・後見監督人には相応の報酬を支払わなければなりません。

そこで,後見人等を選任する必要があるのかどうか,
必要があるとしてどのような制度を利用するのがよいのか,
制度利用に際してどのように申立てをすればよいのか,
といった点については,弁護士等に相談するのが賢明です。

当法律事務所の法律相談は初回60分まで無料,
相談者様のご事情をじっくり伺って
事案に応じた適切なアドバイスをしています。
過去に後見人就任の経験もございますので,
後見にかかわる各種御相談も安心してお申し付け下さい。
他の相談同様,土日を含む24時間相談対応,
事務所外相談にも対応しております。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.12更新

先日,相続をめぐるトラブルを解消するための方法,
特に遺言の効用についてお話ししましたが,
遺言書がなかったり,あっても不合理な内容だったりして,
トラブルが起こったり,起こる可能性が高まった場合は,
できるだけ早めに法的な対処を検討する必要があります。

というのは,例えば特定の相続人に全財産を贈与し,
他の相続人には一切相続させないという内容の遺言があっても,
各相続人は,原則として法定相続分の半分の財産は相続できる,
という制度(これを遺留分制度といいます。)があるのですが,
この遺留分を請求する権利(遺留分減殺請求権といいます)は,
相続の開始及び遺贈・贈与の存在を知った日から1年で
消滅時効にかかってしまいます。

このような消滅時効との兼ね合いの他,
相続人の一部が遺産を第三者に売却してしまった場合などは,
事実上取り戻すのが困難になることもあり,
そのような事態を防止するためにも,早めの対処が必要なのです。

もっとも,早めに対処しろといわれても,
自分一人ではどんな手を打っていいか分からないし,
弁護士に依頼したらたくさん費用がかかってしまう,
という悩みもあるのではないかと思います。

たしかに,遺産分割調停・審判や登記抹消請求等の訴訟案件では,
遺産の価値に応じた着手金・報酬をいただくことになります。
当事務所に御依頼下さる方は,荒川区内や足立区内,
特に南千住や北千住周辺に不動産をお持ちという方も多く,
その価値を基準に着手金・報酬を計算すると,
弁護士費用の額もかなり高額とならざるを得ません。

ただ,それは遺産分割調停・審判等の法的手段が
避けられないという場合の話であって,
当法律事務所の法律相談で状況を整理して話し合い,
上手くトラブルが回避できれば,
無料法律相談の範囲内ならば費用0,
何回か相談してもその分の相談料だけで済みます。

また,遺産の現況や寄与分・特別受益をも考慮した
遺産分割協議書案を作成してほしい,という御依頼であれば,
どの程度の前提調査が必要かによっても違いますが,
最低5万円程度からお引き受けすることができます。
この遺産分割協議書案をベースにした話し合いが成立すれば,
遺産分割協議書案の作成手数料だけで済みます。
しかも,同種案件について御依頼があった場合,
その後に遺産分割調停当の手続に移行したとしても,
事務負担が少ないため,弁護士費用を減額することができます。

この他,弁護士費用の分割払,後払いや
現に獲得できる経済的利益を考慮した報酬とするなど,
弁護士費用に関する相談にも応じますので,
遠慮なくお申し付け下さい。

早急な対処の第一歩として,まずは法律相談を。
当法律事務所は土日を含む24時間相談対応,
初回60分無料でじっくりお話を伺います。
また,事務所外での相談にも対応しております。
まずは電話かメールでご連絡下さい。

投稿者: 豊和法律事務所

2014.07.11更新

先日,相続でもめてしまう原因についてお話ししましたが,
相続をめぐるトラブルを回避するための有効な方法の1つが,
遺言を残しておくということです。

法定の形式にこだわらない広い意味での遺言,
たとえば遺志をメモ書きのような形で残しておいた場合や,
場合によっては相続人に対して口頭で遺志を伝えておいた場合でも,
相続人がそれに納得して相続を進めてくれることはけっこうあります。
その意味で,法定の形式の遺言書にこだわる必要は必ずしもありません。
形式はともかく,遺志を明らかにしておくことの方が大切でしょう。
ただ,その場合,自分の遺志がどのようなものか,
相続人や信頼できる親族にしっかり説明しておく必要がありますし,
可能であれば相続人全員の納得を得ておく必要があります。
法定の形式によらない遺言の場合,一部の相続人が納得できない,
と言い出したら,法的な強制力は何もないからです。

そこで,法定の形式に従った遺言書の作成を考えることになりますが,
法定の形式に従った有効な遺言書を作成するのは,
要件が厳格なだけに,必ずしも簡単ではありません。
書籍などで遺言書の書き方を説明しているものがあり,
そうしたもので十分要件を理解できるならば,それでも構いませんが,
せっかく書いた遺言書に法的な効果がないのは残念すぎますので,
不安がおありならば当事務所まで御相談いただければと思います。
どのような形で遺言書を残すのが最も適切かという点も含めて,
アドバイスさせていただきます。
なお,高齢等で字が上手く書けないとか,漢字がよく分からないとか,
そういう理由で遺言書の作成を諦めていらっしゃる方もおられますが,
そうした場合でも遺言を残す方法は複数ありますので,
まずは御相談下さい。

法定の形式に従った遺言書があれば,遺留分などの問題がない限り,
基本的には遺言書に沿った遺産の分配が行われますが,
遺言書を無視して事実上財産の独り占めを図る者がいたりすれば,
対処は容易ではありません。
こうした問題を完全に解消する方法が,遺言執行者の選任です。
遺言執行者が選任されていれば,遺言執行者の関与しない遺産の処分は
全て無効になりますので,遺言に沿わない財産処分が確実に避けられます。
誰をどのような形で遺言執行者とするのか,
誰か親族の1人を選べばよいのか,それとも弁護士を選ぶ方がよいのか,
そうした点についても御相談いただければ適切にアドバイスします。

上記のいずれの方法を選ぶにせよ,相続は必ずいつかは起こる問題です。
そして,事前に適切な対処さえしておけば,
相続をめぐるトラブルの多くは回避することができます。
避けられるトラブルであれば,避けるための工夫をしておきましょう。
私もトラブル回避のための工夫に全力で協力させていただきます。

当法律事務所では,遺言に関する法律相談も,
土日を含む24時間いつでもお受けしております。
高齢で外出が難しい,そんな方についても,ご連絡いただければ,
ご自宅まで出向いて相談をお受けします。
営業時間外や事務所外の相談についても,初回60分まで無料です。
南千住や北千住,上野程度までの近距離であれば,
出張の交通費もいただかないことにしておりますので,
お気軽にご連絡下さい。

投稿者: 豊和法律事務所

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