事務所ブログ

2015.01.18更新

前回は,調停で解決した場合のことをお話ししました。
今回は,裁判に至った場合について,
前回同様,具体的事例を前提にお話しします。
なお,今回ご紹介する事案も,私が経験した複数の事案を,
適宜アレンジしてつくったものであり,
特定の事案をご紹介しているものではありません。
その点はご了承下さい。

<事案>
Aさんは,気に入らないことがあるとすぐに暴力を振るう
夫Bさんとの関係に悩み続けていたが,
ある日,ささいなことからまたしても暴力を振るわれたので,
Aさんは耐えかねて足立区の実家に帰り,別居が始まった。
別居後,自宅に戻るよう懇願したり,ときには脅したりと,
Bさんからの電話やメールが頻繁かつ執拗に繰り返されたので,
我慢の限界に達したAさんが着信拒否をしたところ,
今度は実家の両親にまで連絡をしてくるようになった。
さらに,実家の周りを徘徊しているBさんの姿を
近所の人が目撃して連絡してくれたこともある。
Aさんとしては,Bさんの行為を何とか止めたいし,
早めに離婚したいとも考えている。

この事案では,離婚よりまず先に,Aさんとご実家の安全,
これが最優先課題になります。
まずは急いで警察に相談しておきましょう。
実家に押し掛けられたときには躊躇なく110番です。
こうすることでさしあたりの安全は確保できます。
その上で,DV防止法に基づく保護命令を考えましょう。
なお,当事務所では,電話や出張の法律相談も行いますので,
外出をしたくないという場合でも相談に応じられます。
なお,DV防止法に基づく保護命令申立ての代行の費用は,
おおむね着手金20万円,成功報酬20万円とお考え下さい。

保護命令で安全を確保したら,次は離婚です。
わが国では,離婚を求める訴訟を提起する前に,
まずは調停をしなければならないことになっていますが,
今回のような事案では,調停で話がまとまることは希です。
そこで,調停に引き続き,裁判で離婚を求めていきます。

今回の事案のようなDV事案では,DVの事実が認められれば
離婚の請求は認めてもらえる可能性が高くなります。
そこで,暴力を振るわれた場合には,診断書をもらったり,
自分で怪我の場所を写真撮影しておく等する必要があります。
逆に,DVのさしたる証拠がないという場合には,
他に確実に離婚するための手段を考える必要があります。

調停を経て離婚訴訟を行う場合の弁護士費用ですが,
調停受任時におおむね20万円程度の着手金をいただき,
訴訟提起時に別途10万円程度の着手金を追加した上で,
離婚の判決が得られた場合,報酬として30万円程度,
という形になっております。
なお,事件開始時に3万円ほど実費を予納していただきます。

投稿者: 豊和法律事務所