事務所ブログ

2014.08.19更新

これまで,別居後に決めなければいけないことについて,
数回にわたってお話ししてきましたが,
今日は⑦養育費の支払の要否・額と⑧面会交流の方法・頻度等
の2つを中心に,別居後・離婚後の子育てについて,
お話をしていきたいと思います。

離婚に至る原因はいろいろありますが,
夫婦として共同生活を営むことができない状態だからこそ,
離婚という道を選ぶわけですから,
そのような状態にまで至った夫婦が,
協力して子育てをしていくことは容易ではないでしょう。
中には,離婚して関係が切れたのだから一切子にかかわるな,
と関係を断絶してしまう方も少なくありません。

しかし,離婚して夫婦の関係が切れたとしても,
親と子の血縁関係は切れるものではありません。
子にとっては両親のどちらも大好きで大切な親なのです,
親権がどちらの親に帰属するにせよ,
親権を得られなかった親(非監護親)も子の親なのですから,
子の健全な育成のために協力する義務がありますし,
非監護親が義務を果たす場合,親権を得た親(監護親)は,
これを妨げないようにする責務があります。

別居後・離婚後に非監護親が子に関与する方法としては,
養育費の支払と面会交流の2つがメインとなります。
養育費は子の日々の生活や学業等に必要な費用です。
離婚して親権が得られなくても,
親が子を養育する義務は消えることはありませんから,
非監護親としては,日々の監護には関与しない代わりに,
養育費を支払うという形で子の養育にかかわるのです。
養育費の額は,婚姻費用同様,夫婦双方の収入に応じて,
算定表を参考にして決められることになりますから,
どの程度の額になるかは算定表を見るとよいでしょう。

また,面会交流は,子の健全な育成にとって,
父性的存在・母性的存在の双方の必要性が高いことから,
非監護親と子との定期的な交流を図るものです。
つまり,面会交流は,子のために行われるものであり,
親のためのものではありません。
なお,面会交流の頻度・方法は,子の年齢や親子の居住地等,
状況によって変わってきます。
例えば,父親が北千住に居住している一方,
子は母親とともに広島に居住しているというような場合は,
親子双方の負担を考慮して,面会交流の回数を少なくしつつ,
その代わり交流時間を長めにすることになるでしょう。
わが国では,おおむね月1回半日程度の面会という形で,
面会交流の程度・方法が定められることが多いです。

非監護親としては,監護親が親権を有している以上,
監護親による監護に積極的に協力すべきであり,
その一環として,養育費の支払等にも誠実に応じるべきです。
なお,面会交流の際に暴言を吐いて子を傷つけたり,
監護親の悪口を言って監護を困難にするような行為は,
絶対に避けなければなりません。

他方,監護親としては,子の健全な育成の観点から,
非監護親による関与を含めた監護のあり方をコントロールし,
必要に応じて非監護親に必要な協力を求めるべきです。
なお,非監護親との関係がいかに悪くても,
そのことだけを理由に面会交流を拒んだり,
面会交流に先立って非監護親の悪口を吹き込んだりするのは,
絶対に控えなければなりません。

以上要するに,別居や離婚した後においても,
子との関係では,子の両親同士としての協力が不可欠であり,
そうすることが子の健全な育成に最も資するのです。
監護親が正当な理由もなく面会交流を拒み,
非監護親が対抗して養育費の支払を拒む,
といった不毛な対立が続くことがまま見られますが,
そんなことをして一番傷つくのは子ですし,
両親ともに親の義務を果たしていないことになりかねません。
離婚にかかわる弁護士としては,そんなことにならないよう,
両親が理性的に対応してくれることを希望しています。

養育費や面会交流に関しては,両親が直接協議しても,
離婚をめぐる紛争を引きずってしまうこともあって,
上手くまとまらないという場合が少なくありません。
そのような場合は,上手く弁護士を利用して下さい。
当事務所に御相談いただければ,
依頼者様の負担がなるべく軽くなる形で,
離婚に伴う紛争を解決する方法を提案させていただきます。
相談料は初回60分まで無料,土日・夜間も対応。
まずは電話かメールでご連絡下さい。

投稿者: 豊和法律事務所