事務所ブログ

2014.08.10更新

前回,別居する前に考えておくべきことをお話ししました。
計画どおり別居ができたら,離婚に向けて交渉開始です。

別居後の交渉で解決しなければならない問題としては,
まず,離婚までの別居期間におけるものとして,
①婚姻費用の支払の要否・額の問題があります。

次に,離婚の条件等として,
②離婚するか否か,及び離婚するとしていつ離婚するか,
③財産分与その他の財産関係の清算,
④慰謝料の支払の要否・額
⑤離婚時年金分割の要否・割合
という問題があります。

さらに,夫婦間に子がいる場合には,
⑥親権・監護権をどちらが担うか,
⑦養育費の支払の要否・額
⑧面会交流の方法・頻度等
という問題があります。

今回は,そのうち①の婚姻費用の支払の要否・額について,
簡単にお話ししておきたいと思います。

婚姻費用とは,夫婦共同生活に必要な費用のことをいいます。
婚姻費用の分担は,夫婦がその収入に応じて公平に行います。
もっとも,夫婦のどちらがどの程度婚姻費用を支払うべきか,
何の基準もなしに話し合っても解決は困難でしょうから,
家庭裁判所で用いられている婚姻費用算定表を使って,
双方の収入を前提とした婚姻費用の額を確認し,
これを前提に話し合えば交渉が円滑に進みやすくなります。
なお,婚姻費用の額は,夫婦双方の収入を基準に決めるため,
例えば別居後の住まいが北千住駅前の高級賃貸マンションで
家賃がかなり高い,というような場合でも,
家賃に応じて婚姻費用が増額されることはありません。
その点は注意してください。

婚姻費用算定表に従って算出された婚姻費用は,
最終的には審判で支払を命じられてしまいますし,
それでも支払わなければ給与の差押え等を受けてしまいます。
さらに,財産分与でも未払婚姻費用が加算されるなど,
離婚に向けた交渉等で不利益が生じてしまいますので,
婚姻費用の支払義務を負う側の方は,
誠実に支払に応じるようにしましょう。

自分に婚姻費用の支払義務があるか知りたい,
支払義務があるとしてどの程度支払う必要があるのか,
ローンの支払などは考慮してもらえるのか,
などなど,婚姻費用に関して分からないことがあれば,
当事務所の無料法律相談をご利用ください。
土日・夜間を含めていつでも相談に対応していますので,
お気軽に電話かメールでご連絡ください。

投稿者: 豊和法律事務所