事務所ブログ

2014.07.10更新

相続でもめてしまうケースはけっこうあります。
さんざん揉めてから法律相談にいらした方の事件をお受けして,
相手方の弁護士と交渉してみたものの全く折り合うことができず,
何年も調停や審判が続いて相続人全員が疲弊しきってしまう,
そんなケースも少なくありません。

それにしても,肉親同士でなぜそんな争いが起きるのでしょうか。
様々な理由があるとは思いますが,主な理由は次の3つでしょう。

①亡くなった方の遺志が不明であること
②立場が違う兄弟の相互理解は難しいこと
③配偶者の視点が入ってくること

①の亡くなった方の遺志が不明であること,というのは,
亡くなった方自身が遺産の処分について確たる遺志を定めていて,
それが生前から相続人に伝えられ,納得が得られていたならば,
遺志に反してまで財産を欲張る者が現れる可能性は低く,
相続をめぐる争いは起こらない可能性が高いということです。

②の立場が違う兄弟の相互理解は難しいこと,というのは,
例えば兄弟の1人が北千住の実家で親と同居していて,
親の介護も同居している者がずっと続けていた,
これに対し,他の兄弟は広島や新潟で別々に生活しており,
正月とお盆くらいしか交流がなかった,というような場合,
兄弟間で互いの立場を理解し合うことは難しい,ということです。
たとえ要介護度が低くても,親と同居して介護する負担は重いですが,
それがどれほどのものかは,実際に同居していなければ理解できません。
むしろ,同居していない兄弟から見れば,
同居によって得られる経済的メリット等で差別されている意識があり,
相続の場面ではそれを取り返そうと思うことも珍しくありません。
こうなってしまえば,兄弟同士で理解し合うことは困難でしょう。

③の配偶者の視点が入ってくること,というのは,
多くの場合,相続人である兄弟にはそれぞれ配偶者がいますが,
そういう肉親的情愛がそれほど強くない者の冷静な意見により,
往々にして話し合いが難航する,ということです。
兄弟間にはその兄弟同士でなければ分からない関係性があり,
兄弟同士であれば話し合って上手く解決できる問題でも,
冷静な第三者的視点から,杓子定規な意見が出てしまうなどして,
上手くいっていた話が壊れてしまうことは珍しくありません。

以上に挙げた理由は,代表的なものであり,
個々の家庭にはそれぞれ別個のトラブルの原因が隠れているものです。
自分の家庭にどのようなトラブルの原因があるのか,
そしてその原因を解消するためにはどうしたらよいのか,
悩みがあるならまずは当法律事務所に御相談下さい。
相続に関する相談も,他の相談同様,
初回60分無料で土日を含む24時間対応で受け付けております。
また,外出が困難な方などについては,
ご自宅まで出向いて事務所外の相談にも応じますので,
ご遠慮なくお申し付け下さい。

投稿者: 豊和法律事務所