事務所ブログ

2014.07.29更新

今日は夕方から,弁護士会主催の中小企業研修に参加してきました。
中小企業支援を主たる業務としている弁護士でなくとも,
事務所を経営している弁護士は自身も中小企業の経営者ですから,
中小企業支援に関する情報を得ることには大きなメリットがあります。
今回の研修も,優れた講師の方から有益な情報を得られましたが,
中でも特に印象的だったのは,お客様との打ち合わせの重要性です。

講演のなかで,中小企業支援では,企業の真の強味を活かす必要があり,
その企業の経営者は身近な事柄であるだけに,逆にそれに気付かない。
そこをアドバイザーが補い,真の強味を活かす方法を探って行くべき,
というお話が講演の中に出てきたのですが,
これは弁護士と依頼者様との関係にもあてはまることです。

私のこれまでの経験の中でも,依頼者様とじっくり打ち合わせをして
本当に良かったと痛感したことは少なくありません。
たとえば,こんなことがありました。
別の弁護士の下で自己破産をしてもらったのに債権者から請求が来た,
という相談を受けて,自己破産の記録を確認したところ,
その債権者は自己破産の債権者一覧表に記載されていませんでした。
こうなると,その債務は免責されない可能性が発生してしまいます。

相談者様がその債務のことを弁護士に言っていなかったとすれば,
必ずしも弁護士の失態とはいえないのですが,
自己破産ではすべての債務を申告する必要があることをきちんと説明し,
債務に関する資料はすべて事務所にご持参いただくようにするなど,
全債務を把握する努力をしていれば避けられたかもしれないミスです。
その意味で,弁護士の責任がないとはいえないでしょう。

これはもう,請求に応じるしかないかなと思ったところで,
相談者様がふと,「何年も請求してこなかったのに今さら...」
とおっしゃったのを聞いて,それなら消滅時効の主張ができる!
と気付くことができました。
その後は,消滅時効を前提に債権者と交渉し,
うまくトラブルを解決することができました。
もし,相談者様との打ち合わせを中途半端にしたまま,
請求に応じることにしていたら,と思うと,
相談者様の話をじっくり聞くことの重要性を痛感します。
同時に,相談者様がうかつに請求に応じることなく,
相談にきてくれたからこそ,解決ができたわけですから,
相談者様の的確な判断に敬意を表したいところです。

当事務所では,依頼者様からじっくりお話を聞くため,
法律相談を初回60分無料としております。
土日・夜間も相談に対応しており,この場合も相談料は同じです。
また,ご都合で自宅から出にくいという方についても,
上野,北千住近辺までなら交通費無料で相談に出向いております。
ぜひ電話かメールでご連絡ください。

投稿者: 豊和法律事務所